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A6小説同人誌の文字組&装丁まとめ

報告が遅くなりましたが、11月25日に開催された第27回文学フリマ東京にサークル参加しました。約5年ぶりの出店でした。手に取っていただいた方へ心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。

今回の文フリに向けて新刊を1冊作りました。前回発行時からブランクがあり、分からないところは調べながら作ったので時間がかかりました。そこで備忘録も兼ねて、わたしが今までに発行した文庫サイズ同人誌2冊の装丁をご紹介したいと思います。小説同人誌を作る際の参考になれば嬉しいです。

 

▽1冊目

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文庫判(A6サイズ) / 64ページ / 頒布価格200円 / 2013年4月発行

表紙作成:Photoshop Elements / 本文作成:Word2003

 

印刷所さんはポプルスさんのスタンダードセット。表紙に和紙PP加工をしています。

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1ページ36文字×12行 / 本文フォント:はんなり明朝 / 天・地・小口15mm、ノド18mm

文字サイズを忘れてしまいました。データが残っていないため、各余白のmm数はおおよその数字です。当時、はんなり明朝はまだそれほど有名ではありませんでした。フォントで和風な雰囲気を出したかったのと物珍しさから本文のフォントとして使用しましたが、今読み返すと少し読みづらいかも……。余白を広めに取っているのが不幸中の幸いです。余談ですが、はんなり明朝はOTFフォントなので印刷所へ入稿するにはフォントの埋め込みが必須です。(2019年11月追記:今は変わっているかもしれません。)わたしはそのやり方がわからなくて、Photoshop Elementsで1ページずつpsdに変換するという作業を行いました。苦行でした。

 

▽2冊目 直近で印刷した本です。

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文庫判 / 60ページ / 頒布価格300円 / 2018年11月発行

表紙作成:Photoshop CC / 本文作成:ポメラDM200→一太郎2018

 

印刷所さんはプリントオンさんの文庫本セット。カバーはミランスノーホワイト80kgというキラキラした紙で、タイトル部分はホログラム箔押し加工リフレックス透明箔です。ミランスノーホワイトのキラキラも素晴らしいですが、リフレックス透明箔の輝きは圧巻です。ただ、透明なので遠くから見ると箔部分の文字が見えません。下に薄く色を敷けば良かったなと後悔しました。

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フェアを使用して、前のみ遊び紙(トレペ星くずし白)を入れました。

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1ページ40字×15行 / 文字サイズ8.5pt(フォント:イワタ明朝体オールド) / 天15mm、地・小口13mm、ノド16mm

前回は下書きから全てをWordで行いましたが、今回はポメラDM200で下書き・推敲をした後にパソコンに取り込み、一太郎2018で作ったフォーマットに流し込みました。

この文字組は上手くいったと自負してます!余白は読みづらくないちょうど良い間隔で、文字サイズも小さすぎず大きすぎずで良い感じです。本文フォントをイワタ明朝体オールドにすると、ぐっと商業本ぽくなりますね。イワタ明朝体オールド大好きです。

 

制作時に思ったこと①ポメラ一太郎について

前述したように2冊目の本文制作はポメラDM200から一太郎へという工程を踏んでいます。ポメラはやっぱり便利です。起動が速くてすぐ書けるし、パソコンに取り込むときはtxtファイルなので作ったレイアウトに影響しません。txtファイルで提出を求められる公募だと、そのまま応募ができちゃいます。

ひとつ苦戦したのが一太郎で打ったノンブルです。途中で手直ししてページ数が増減すると、ノンブルが変になってしまいました。また奇数ページに各章のタイトルを入れる設定にしたのですが、何ページかに章タイトルが表示されない、ということがあり困りました。これは購入してすぐのことだったので操作に慣れれば楽に出来ると思いますが、難しかったです。

 

制作時に思ったこと②mojimoは便利!

今回カバー表紙やお品書きのフォントはフォントワークスさんのmojimoというフォントパックの配信サービスを使用させていただきました。フォントワークスさんのフォントは高価なものが多く、なかなか手が出せなかったのですが、このmojimoは年間定額制の1,200円(mojimo-mangaは3,600円)で筑紫書体などのフォントを使用することができます!小説同人誌の場合、特に本文フォントはこだわったほうがいいと思います。mojimo-kireiに収録されている筑紫書体は縦書きでも可読性に優れ、小説などの文書作成に適しているフォントです。mojimoを知らなかった、という方はホームページだけでも覗いてみてください。きっと使いたくなること間違いなしです。

 

小説同人誌を作るのは本当に楽しいので、これからも本を作り続けていきたいです。

ここまで読んでいただきありがとうございました。